冠婚葬祭の言葉づかいQ&A|お悔やみ・のし袋・忌み言葉の迷いどころ

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「ご愁傷様です」と「お悔やみ申し上げます」、どちらを使うべき?

結論から言うと、口頭では「ご愁傷様です」、手紙やメールでは「お悔やみ申し上げます」を使うのが自然です。逆に使うと、多少違和感が出ます。

この違いは、もともとの使われ方に理由があります。「ご愁傷様です」は対面で相手の顔を見て発する言葉として定着してきました。通夜や葬儀の受付で、遺族に一言かけるときの定番です。一方「お悔やみ申し上げます」は、文章で気持ちを伝えるための言い回しです。弔電や手紙、最近では取引先へのメールでも使われます。

たとえば、会社の同僚の親が亡くなったと聞いた場面を考えてみます。通夜の受付で遺族と対面したなら「このたびは、ご愁傷様です」と伝えます。一方、参列できずメールで一報を入れるなら「このたびは、心よりお悔やみ申し上げます」と書くほうが収まりがいいでしょう。

迷いやすいのは、電話で伝える場合です。電話は声だけのやり取りですが、対面に近い扱いとして「ご愁傷様です」で問題ありません。また、「ご愁傷様です」を皮肉として使う俗な用法が広まったことで、この言葉自体を避ける人も増えています。気になる場合は、口頭でも「お悔やみ申し上げます」で通してしまって構いません。どちらも失礼にはなりません。

香典袋の表書き、「御霊前」と「御仏前」はいつ分ける?

四十九日より前は「御霊前」、四十九日を過ぎたあとは「御仏前」を使います。これは仏教の考え方に基づく区別です。

仏教では、亡くなった人はすぐに仏になるわけではなく、四十九日の法要を経て仏になると考えられています。それまでの魂は「霊」として扱われるため、通夜や葬儀、初七日の香典は「御霊前」と書きます。四十九日以降の法要、一周忌や三回忌などでは「御仏前」に切り替わります。

具体的な場面で言うと、葬儀に参列して香典を渡すときは「御霊前」で用意します。数か月後に一周忌の法要へ招かれたときは、同じ包みではなく「御仏前」と書いた袋を新たに用意します。ここを間違えて一周忌に「御霊前」を持って行ってしまう人が意外と多く、遺族側も気にしないことが多いのですが、知っておくと恥をかきません。

例外もあります。浄土真宗では、亡くなった直後から仏になるという考え方をとるため、通夜の段階から「御仏前」を使う地域や家もあります。相手の宗派がわからないときは、宗派を問わず使える「御香典」「御香料」と書いておくのが安全です。表書きで迷ったら、無地の袋に「御香典」と書く選択肢を思い出してください。

結婚祝いのご祝儀袋、「寿」でも「御祝」でもいい?

どちらも使えますが、渡す場面によって適切さが変わります。結婚式当日の受付で渡すご祝儀には「寿」、それ以外の贈り物には「御祝」を使うのが基本です。

「寿」は結婚祝い専用の言葉で、慶事の中でも特に結婚を指します。印刷されたご祝儀袋の多くに「寿」と書かれているのはこのためです。一方「御祝」は範囲が広く、結婚に限らず出産、進学、開業など、さまざまなお祝いに使えます。結婚式に呼ばれていないけれど、結婚を知って贈り物を渡すような場面では「御祝」でも十分です。

たとえば、友人の結婚式に招待されて当日ご祝儀を渡すなら、袋の表書きは「寿」が定番です。一方、式には出ないけれど結婚報告を受けてお祝いの品を送るなら、のし紙には「御祝」または「祝御結婚」と書きます。この場合に「寿」だけを書くと、意味が少し狭く感じられます。

迷いやすいのは、水引の結び方です。結婚祝いは「結び切り」という、一度結んだら簡単には解けない形の水引を使います。何度あってもいい出産祝いなどとは違い、結婚は一度でいいという意味が込められています。蝶結びの水引に「寿」と書かれた袋を間違えて使ってしまうケースもあるので、購入時に水引の形も確認しておくと安心です。

快気祝いと快気内祝い、実は意味が違う

結論を言うと、快気祝いは「病気が完全に治った人」が使う言葉で、快気内祝いは「治療中でも、退院や一区切りのお礼をしたい人」が使う言葉です。完治したかどうかで呼び方が分かれます。

お見舞いをもらった側がお返しをするとき、この二つの言葉を選ぶ場面が出てきます。完全に治って元の生活に戻れたなら「快気祝い」でよいのですが、通院を続けていたり、長期の療養が必要だったりする場合は「快気」という言葉自体がそぐいません。そこで「まだ治っていないけれど、いただいたお見舞いへのお礼はしたい」という気持ちを表す言葉として「快気内祝い」が使われます。

たとえば、骨折で2週間入院して退院した人がお見舞い返しを贈るなら「快気内祝い」がふさわしい場面です。骨は完全にはまだ治っていないことが多く、通院も続くためです。一方、盲腸の手術で1週間入院し、退院後は普通に仕事に戻れた人であれば「快気祝い」で問題ありません。

ここは迷うところですが、実際には厳密に区別せず「快気祝い」で通してしまう家庭も多いです。マナーとして間違いというわけではなく、どちらを使っても失礼にはなりません。気にする相手かどうかで選べば十分です。むしろ大切なのは、お見舞いをもらったらお返しをするという行為そのもので、言葉選びはその次の話だと考えてよいでしょう。

結婚式の「忌み言葉」、本当に気をつける必要がある?

結論としては、招待状の返信や祝辞など、形が残るものでは避けたほうが無難です。ただ、普段の会話まで神経質になる必要はありません。

忌み言葉とは、離婚や不幸を連想させる言葉のことです。「切る」「別れる」「終わる」「破れる」などが代表例で、結婚という「続いていくもの」を祝う場面にはふさわしくないとされてきました。同じ理由で、同じ言葉を繰り返す「重ね言葉」も避けられます。「たびたび」「くれぐれも」「重ね重ね」といった言葉です。これらは離婚や再婚を連想させるとして敬遠されてきました。

具体的には、招待状の返信ハガキに「出席いたします」と書くのはよくても、うっかり「これで話は終わりです」のような一文を添えてしまうと、縁起を気にする年配の親族の目には引っかかることがあります。スピーチでも「今日で学生時代の付き合いは切れましたが」のような表現は避け、「新しい生活が始まります」のように言い換えるのが一般的です。

とはいえ、すべての場面で厳密に守られているわけではありません。友人同士の会話やSNSの投稿で「切りがいいのでこの辺で」と書いたところで、誰も気にしないでしょう。忌み言葉を強く意識するのは、招待状、祝辞、のし紙など、記録として残る場面や、年配の親族が見る場面です。若い世代だけの集まりであれば、そこまで気を張らなくても大きな失礼にはなりません。場に応じて力を抜くところと、気をつけるところを分けて考えるのが現実的です。

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